
LTSS設計思想 “サッカー選手に気づいてほしい!感覚受容器メカノレセプターについて”
2025.05.28
目次
LTSS設計思想“サッカー選手に気づいてほしい!感覚受容器メカノレセプターについて”
サッカーソックスの完成形を目指して
サッカーソックスの完成形とは何か。
LTSS(Leg Tool Separation System)「考案者:角田壮監」が提示する設計思想は、その問いに対するひとつの明確な答えです。私たちは“競技者本来の力を引き出すこと”を目的に、足の構造・機能に即したソックスのあり方を再設計してきました。
この“本来の力”とは、運動、安定、耐久、柔軟、吸収、そして今回取り上げる**「感覚」**など、複合的な能力の総体です。
なかでも、足裏の感覚=センサー機能は、現代フットボールの中でますます重要性を増しています。
感覚の解放へ──LTSSが大切にする「素足感覚」と「裸足感覚」
LTSSではこれまで、足の感覚を以下のように定義・紹介してきました。
• 素足感覚:履き物を履いた時に足背(足の甲)の表面感覚が“履いていないように感じる”状態
• 裸足感覚:履き物を履いた時に足裏の皮膚感覚が“履いていないように感じる”状態
サッカーでは、足裏のセンサー(感覚受容器)をいかに保ち、研ぎ澄ませるかが、パフォーマンスの鍵を握ります。
感じる足をつくる──足裏の「メカノレセプター」とは?
感覚を“脳へ伝える”センサー:メカノレセプター
私たちが地面を踏みしめるとき、スパイクの中で足がどう接地し、どう動いたか――
その情報を瞬時に脳へ送り、次のアクションに変える感覚のセンサー。
それが「メカノレセプター(mechanoreceptors)」です。
メカノレセプターは、皮膚や筋膜、関節、腱などに分布する感覚受容器のひとつで、特に足裏には密集しています。
このセンサーが、地面との接地感・スパイク内の足のズレ・相手との接触などを“感じ取り”、身体全体の反応や制御を司っています。
足裏に存在する主な4種類のメカノレセプター
* マイスナー小体 (Meissner's corpuscles):主に皮膚の表面近くに存在し、軽い接触や細かい振動を感じ取ります。物体の質感や動きの速さを感知するのに役立ちます。
* パチニ小体 (Pacinian corpuscles):皮膚のやや深い部分に存在し、強い圧力や速い振動に反応します。着地の際の衝撃や、地面の微細な振動を感じ取るのに重要です。
* ルフィニ小体 (Ruffini endings):皮膚の深い部分に存在し、持続的な圧力や皮膚の伸張を感じ取ります。立っているときの体重の負荷や、関節の動きを感じるのに役立ちます。
* メルケル細胞終末 (Merkel cell nerve endings):表皮の基底層に存在し、持続的な軽い接触や圧力を感じ取ります。物体の形状やエッジを認識するのに寄与します。
メカノレセプターが鈍くなるとどうなるか?
アスリートにとっての「感覚の鈍化」は、**パフォーマンスの“遅延”と“誤作動”**につながります。
• ピッチ上の小さな変化(滑りやすく」「凸凹がある」)に気づきにくい
• 身体の傾きの認知の低下
• バランスを崩しやすくなる
• 足裏、足指、踵が正しく機能せず、怪我や故障の原因になる
これらはすべて、メカノレセプターがうまく働いていない状態で起こる現象です。
メカノレセプターを研ぎ澄ますには?
感覚を取り戻す・磨くために、以下のようなトレーニングが効果的です。
• 裸足でのウォーキングやドリル:芝や砂、マットの上などで足裏に刺激を与える
• バランスボードや不安定な床でのトレーニング:足裏センサーの再活性化
• 過度なクッション性の排除:感覚を遮断するシューズ・ソックスを見直す
“感じる感覚”を守る──LTSS設計思想とソックス構造
LTSSが推進するセパレートソックスでは、以下の設計思想をもとに製品が開発されています。
• 足とシューズの“感覚的な一体感”を損なわない
• 足裏の自由な動きや感覚入力を妨げない
• 履いているのに“履いていないように感じる”素材と構造
つまり、単なる“履き心地”ではなく、「感覚受容器=メカノレセプター」を遮らない構造が設計の中心にあるということです。
LTSS設計思想とメカノレセプターの関係
LTSSでは、セパレート構造のセパレートソックスを開発し、次のような設計思想を採っています:
• 足とシューズの調整役としての短いソックス(肌の保護と履き心地)
• 足・足指・足裏・踵・足首の動きを妨げない構造
履き心地の良さではなく、「感覚の妨げにならない」ことが本質的な設計目的です。
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“感じる足”が武器になる──感覚を軽視しない時代へ
足裏は、“もうひとつの脳”とも言われるほど、身体制御に関わる情報の宝庫です。
感覚の鋭さが判断を変え、判断が一瞬のプレーを変える。
だからこそ、私たちは「感覚受容器を妨げないサッカーソックス」を提案します。
ソックスは、単なる“履き物”ではなく、選ぶ時代に入りました。
LTSSの設計思想が、競技者の潜在能力を引き出す一助となることを願ってやみません。
次に読むなら ── 関連コラムのご紹介
LTSS設計思想|“感覚受容器メカノレセプター”とは?──サッカー選手が知っておきたい「足裏の感覚」とは何か
《参考文献・情報源》
• Kandel, E. R., Schwartz, J. H., & Jessell, T. M. (2013). Principles of Neural Science (5th Edition). McGraw-Hill.
└ 感覚受容器や皮膚の神経系に関する詳細な記述あり。
• Proske, U., & Gandevia, S. C. (2012). The proprioceptive senses: their roles in signaling body shape, body position and movement, and muscle force. Physiological Reviews, 92(4), 1651–1697.
└ メカノレセプターの分類と感覚運動系のレビュー。
• Hijmans, J. M., Geertzen, J. H., Dijkstra, P. U., & Postema, K. (2008). The role of foot pressure sensors in maintaining balance. Gait & Posture, 27(3), 450–454.
└ 足底センサーとバランス制御の関係に関する研究。
• 菅原道仁 (2022).『脳を鍛えるには足から始めよ』SBクリエイティブ.
└ 足裏刺激と脳神経系との関連を一般向けに解説。
• 赤坂清和(2020). 感覚受容とスポーツパフォーマンス. 日本体育学会大会講演資料.
└ 国内研究者による感覚受容器トレーニングの実践例。
• 【LTSS公式コラム】「グリップソックスに頼る前に」(2024).
URL:https://www.ltss-soccer.com/blog/250511/
└ 感覚入力を阻害しないソックス設計に関する実践的知見。
LTSS公式ブログの全記事一覧は こちら
LEG TOOL SEPARATION SYSTEM(LTSS)とは
**LTSS(LEG TOOL SEPARATION SYSTEM)**は、角田壮監が考案した完成されたセパレートサッカーソックスの設計思想です。
“サッカーソックスは選ぶ時代へ”── 革新的構造 LEG TOOL SEPARATION SYSTEM(LTSS)
フットボールクリエイター 角田壮監
足とシューズの最適化で競技者本来の力を引き出すという視点から世界初のサッカーソックスの構造を分離させ完成されたセパレートサッカーソックスLeg Tool Separation Systemを考案。
「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。
アスリート思考で心豊かな社会づくりをクリエイトする
KAKU SPORTS OFFICEは、「アスリート思考で心豊かな社会を創造する」をモットーに、競技スポーツに関わる個人・企業・団体の活動や事業を、的確な視点で分析します。そして、言語・文化・音楽・映像・活字といった多様な“シンボル”を活用し、人と人、組織と組織、企業と企業、人と組織・企業といったあらゆるつながりの中から、最大の相乗効果を生み出す組み合わせをコーディネート。新たな利益システムを構築するコミュニケーションコーディネーターとして活動しています。
また、創業者・企画者としての精神をもとに、理念や目的を共有できるパートナーの育成や、持続的かつ自走可能な組織づくりを支援するシステムコーディネーターとしても貢献。さらに、競技者一人ひとりが本来持つ力を引き出すメンターとして、競技スポーツの発展にも寄与しています。