
素足感覚・裸足感覚のサッカースパイクとセパレートソックスの役割
2024.12.19
目次
素足感覚・裸足感覚のサッカースパイクとセパレートソックス
サッカープレーヤーにとって理想のスパイクの要素の一つに「素足感覚」が挙げられます。サッカープレーヤーがスパイク選びで大切にしている素足感覚は、具体的にどのようなことなのでしょうか。そして、 KAKU SPORTS OFFICEが推進するセパレートサッカーソックスの視点やLEG TOOL SEPARATION SYSTEM®︎仕様のセパレートソックスについて紹介できればと思います。
素足感覚とは
素足(すあし)とは、①履物を履かない足。②足袋や靴下を履かない足。はだし。(広辞苑第7版新村出編.2021)とされ、素足と同じような意味を持つ裸足(はだし)は、①履物を履かずに地上を歩くこと。②履物・靴下などをはかない足。素足。(広辞苑第7版新村出編,2021)と記されています。前述の言葉の意味から素足感覚とは、履物・靴下などを履いているにも関わらず履物・靴下などをはいていない素足と同じ感覚という解釈ができます。また、裸足は履き物を履かずに地上を歩くとの意味から、履物を履いていない状態。素足は裸足とは違い、「素足」は履物をはいた状態や、着脱する際の足の状態であると言えます。「裸足」で地上を歩くが、靴下は履かずにシューズを履いて歩く足は「素足」になる。さらに、裸足は「足の裏側(足裏)」、素足は「足の甲側(足背)」という意味合いで使われていることも見受けられます。
そのようなことからLTSSでは前述の内容から履き物を履いた時に「素足感覚」は足の表面(足背)、「裸足感覚」は足の裏側(足裏)が履物をはいていない感覚と定義して、ブログを進めていきます。
素足感覚のサッカースパイク(足背の感覚)
素足感覚のサッカースパイクとは、サッカースパイクを履いた際に、「足の表面(足背)」がサッカースパイクを履いていない感覚と同じ感覚と定義します。足の表面(足背)とは、足指は爪側、中足部は足の甲やインサイドキック、アウトサイドキックなどでボールを扱う面、そして踵部の中心から上部あたりの面になります。ピッチ上のボールを足の裏で扱わない限り、足背でボールをコントロールをします。サッカースパイクで足背を覆う主な部分をアッパーと称しています。素足感覚のサッカースパイクを供給するメーカーは、アッパー素材(質感、厚み)、形状、製法、縫製などを独自に開発、製造をしています。アッパーで最も評価されているのがカンガルーレザーと言われています。ボールタッチを重視するプレーヤーに好まれています。サッカースパイクを選ぶ際は足の形(形状、足長、足幅)、素材(柔軟・適切な厚み)など、フィッティングをしながら自分に合うものを選ぶことで「素足感覚」に近づけることができます。
裸足感覚のサッカースパイク(足裏の感覚)
裸足感覚のサッカースパイクとは、サッカースパイクを履いた際に「足の裏面(足裏)」がサッカースパイクを履いていない感覚と同じ感覚と定義します。足の裏面(足裏)とは、足指の腹、母趾級、小趾級、土踏まず、踵などの面になります。足裏は、ボールを扱うことやランニング、ダッシュ、ストップ&ターン、ジャンプなどの動作の際はピッチに力を伝達、衝撃を吸収をします。サッカースパイクを着用し際に足裏と面する部分をソール(インソール、ミッドソール、アウターソールなど)と称しています。ソールは、ピッチコンディションによって使い分けされ、屈曲性や反発力、衝撃吸収、プレースタイルによって選択します。サッカースパイクを選ぶ際は足の形(形状、足長、足幅)、素材(硬度・適切な厚み)、スタッド形状・数など、フィッティングをしながら自分に合うものを選ぶことで「裸足感覚」に近づけることができます。
サッカースパイクだけでは素足感覚・裸足感覚にはならない
シューズメーカーは、シューズの品質の維持、進化させるために開発費を投じたり、厳選された工場の確かな技術で高品質な素足感覚・裸足感覚のサッカースパイクを製造しています。そのような高品質なサッカースパイクが供給され、プレーヤーが素足感覚・裸足感覚の品質のサッカースパイクを選ぶことができても、サッカースパイクと足の間にはソックスが存在するため、ソックスの品質に課題があったり、不適切な着用方法をしていては、本来の素足感覚・裸足感覚の履き心地にはなりません。ソックスがズレている、たるんでいると違和感だけでなく、靴擦れで肌を痛めてしまいます。不適切な素材や編み方のサッカーソックスですと、シューズ内で足が滑ってしまったり、汗などで蒸れてしまうとよい履き心地ではなくなります。このようにソックスがサッカースパイク着用時の素足感覚・裸足感覚を邪魔することもあります。サッカースパイクの品質を体感する足に直接ふれているソックスの存在を考えると、サッカーソックス選びも大切であるといえます。
競技規則から見たサッカーソックスの役割
サッカーソックス選びが大切であることをお伝えしましたが、そもそもサッカーソックスの役割について紹介します。
サッカーソックスは、競技規則第4条で定められている基本の用具です。
詳しくは、サッカーでソックスを履く理由 をお読みください。
サッカーソックスは競技規則に記されているように必ず着用しなければならない。また、すねあて(レガース)を覆うことも定められています。
セパレートソックスの品質
サッカーソックスの役割を理解していただいた上で、従来のサッカーソックス(丈の長いソックス)からスパイクを履く足を覆う「セパレートソックス」とレガースや脚を覆う「セパレートストッキング」に区分したセパレートサッカーソックスにすることでサッカースパイクの素足感覚・裸足感覚に近づけることができます。ここからは、セパレートソックスについて紹介します。
セパレートソックスとは
セパレートサッカーソックスの構成要素として、シューズを履く足に着用する短いサッカーソックスがセパレートソックスです。サッカー競技規則第4条でサッカーソックスはレガース(すねあて)を覆うことが義務付けられていることから短いセパレートソックスだけでは公式競技会に出場することはできません。公式競技会に出場する際は、シューズを履く足に着用するセパレートソックスと、レガース(すねあて)を覆うセパレートストッキングを組み合わせたセパレートサッカーソックスにすることでサッカー競技規則第4条に定められた基本的な用具として認められます。
サッカーソックスをセパレートにすることで、メーカーは足指、足裏、足、足首の機能を妨げずに足とシューズの最適化を図るセパレートソックスとして開発、供給することができます。そして、脚の保護とふくらはぎのコンディションや快適さを図るセパレートストッキングを開発、供給することができます。これにより競技者は、足や脚のコンディション、シューズを履く足の部分をセパレートソックス、レガースを覆う脚の部分をセパレートストッキングとしてFeeling 「感覚」、Time「時」、Place「所」、Occasion「場合」に合わせて選択をすることができます。
LTSSが提案しているセパレートソックスには、インナーシューズという考え方があります。足とシューズの最適化を図るベースレイヤーとなる靴下です。セパレートソックスの履き心地を追求するのではなく、サッカースパイクを履いた時、プレーしている時の素足感覚・裸足感覚を実現するためのソックスを開発しました。サッカーでの多種多様な動き、長短縦横無尽な走り、現代サッカーのハードワーク、インテンシティ、そしてボールを足で扱う中でもズレ、たるみ、ずり落ちなどがあってはいけません。
素足感覚・裸足感覚の追求したLTSS仕様のセパレートソックス
サッカーで使用するセパレートソックスは、日常生活で着用している靴下のように履いた時の履き心地、肌ざわりの良さだけでは、役割を果たすことはできません。前述のとおり、サッカーでの多種多様な動き、長短縦横無尽な走り、現代サッカーのハードワーク、インテンシティ、そしてボールを足で扱う中でもズレ、たるみ、ずり落ちなどがあってはいけません。ソックスのズレ、たるみ、ずり落ちは、シューズを履く足の肌のトラブル(靴擦れ、マメ)に繋がります。そして、その一歩先になる素足感覚・裸足感覚の品質であることが求められます。さらに足・足裏・足首・足指の動きや形状の変化にも対応することを忘れてはいけません。
①足・足裏は常に動き、形状は変化する
競技者のプレー中の足や足裏は、前述の動きや走り、重心移動、ボールコントロールの際に常に動いています。そして、足・足裏の形状は常に変化しています。
②足首は常に動き、形状は変化する
競技者のプレー中の足首は、前述の動きや走り、重心移動、ボールコントロールの際に常に動いています。そして、足首の形状は常に変化しています。
③足指は常に動き、形状は変化する
競技者のプレー中の足指は、前述の動きや走り、重心移動、ボールコントロールの際に常に動いています。そして、足指の形状は常に変化しています。
常に動き、形状が変わる足・足裏・足首・足指
常に動き、形状が変わる足・足裏・足首・足指にフィットするソックスの4つの重要なポイントを紹介します。
①足・足裏、足首、足指の形に編む・左右非対称
サッカーソックスを筒状に編み、左右関係なく指先を丸く仕上げることでコストが軽減でき、一定時間内でより多くのサッカーソックスを製造することができます。左右関係なく指先を丸く編むと親指と踵の2点が結んだ線が軸となりソックスのズレが生じやすくなります。シューズに左右があるように、セパレートソックスも足の形(左足、右足)に編むことでフィット感が高められ素足感覚・裸足感覚に近づけることができます。
②立体製法
左右非対称に加えて、足、足裏、足首、踵、足指の形の違いもあり、その違いは平面ではありません。親指と小指の高さ、太さになど立体的な違いがあります。足裏の形では母指球と小指球の形状や動きの際の体重のかかり方や動きによって形状は変化します。指先と踵との形状と体重かかり方や動きによって形状は変化します。足の形ですとアーチ(土踏まず)がある内側と接地面が広い外側では形状、かかり方や動きによって形状は変化します。内果と外果(くるぶし)の位置や周辺も、体重のかかり方や動きによって形状は変化します。このような立体的な形状の違い、動きや体重のかかり方による形状の変化にも適応した編み方(立体製法)をすることでフィット感を高め素足感覚・裸足感覚に近づけることができます。
③柔軟性と安定性、耐久性を意識した素材と編み方
動きに適応するには柔軟性に優れた素材で使用する。しかし、柔軟性を優先し過ぎてしまうと安定性や耐久性に課題が生じます。一流の技術者の確かな経験と技術、洗練された素材選びときめ細かな編み方をすることで素足感覚・裸足感覚に近づけることができます。
④足・足裏・足首・足指の正しい位置を認識
競技スポーツソックスのアンクルサポートは、捻挫防止機能とされている傾向があります。LTSS仕様のセパレートソックスのアンクル&ヒールサポートは、足首の可動(背屈・底屈)部分の位置を正しく認知していただくことを主目的にしています。また、中背屈・底屈時の可動部位に適切なテンションをかけることでセパレートソックスのフィット感を高め素足感覚・裸足感覚に近づけることができます。さらに競技スポーツソックスのアーチサポートは、疲労軽減機能と紹介されているケースがあります。LTSS仕様のセパレートソックスのアーチサポートは、素足感覚・裸足感覚を追求する上でセパレートソックスのフィット感を高める効果を作り出しています。
LEG TOOL SEPARATION SYSTEM®︎仕様 RxLソックス セパレートソックス紹介
TOKYO
サッカー セパレートソックス TOKYO【やや薄手・ラウンド・ショート丈】FG-4000
OKINAWA
サッカー セパレートソックス OKINAWA【やや薄手・5本指・ショート丈】FG-3000
SAO PAULO
サッカー セパレートソックス SAO PAULO【薄手・ラウンド・ショート丈】FG-2000
RIO DE JANEIRO
サッカー セパレートソックス RIO DE JANEIRO【薄手・5本指・ショート丈】FG-1000
BARCELONA
サッカー セパレートソックス BARCELONA【滑り止め機能・耐久性】【5本指・ミドル丈】FP-1000
まとめ:セパレートソックスの役割は、素足感覚・裸足感覚でプレーするための競技者の足とシューズの調整役(足とシューズの最適化)となること
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フットボールクリエイター 角田壮監
足とシューズの最適化で競技者本来の力を引き出すという視点から世界初のサッカーソックスの構造を分離させ完成されたセパレートサッカーソックスLEG TOOL SEPARATION SYSTEM®︎を考案。
「競技者本来の力を引き出す」ためにを理念に、グローバルシーンで実績を残している様々な競技のトップアスリートや競技団体のマネジメントやディレクションで培った「競技力向上のための組織づくり」をはじめ、社会にスポーツが持つ有益な効果を生み出すためにスポーツシステムコーディネーター、スポーツプロデューサー、プロジェクトコンサルタントとして、次世代ニーズを見据えた魅力ある競技スポーツシーンの創出に努めている。現在、(公財)日本水泳連盟競技力向上コーチ委員会に所属。
アスリート思考で心豊かな社会づくりをクリエイトする
KAKU SPORTS OFFICE(カクスポーツオフィス)