
シンガードを必要としない時代のセパレートストッキング― LTSS設計思想 着圧インナーストッキングが示すサッカーソックスの未来 ―
2025.05.31
目次
シンガード義務化の背景とサッカーの進化
1990年、IFAB(国際サッカー評議会)は「すね当て(シンガード)」の着用を義務化しました。これは、当時のサッカーにおいて守備側の反則行為が戦術として常態化し、プレーの激化・危険化が進んでいたことが背景にあります。
サッカーの神様ペレ、アルゼンチンの英雄マラドーナ。彼らは1試合に30回以上の反則を受け、時には大怪我を負うこともありました。
このような危険なプレーを排除し、健全で魅力あるサッカーの発展をという思想のもと、FIFAはフェアプレー、ルール厳格化、リスペクト精神を軸に、サッカーの文化的成熟を促してきました。
現代サッカーと“シンガードの役割”の変化
近年、特に欧州プロリーグでは、極端に小さいシンガードを形式的に入れる選手が増加しています。これは、シンガードの本来の保護機能が相対的に重要でなくなりつつある現状を示しています。
つまり──「かつて危険を防ぐために必要だった装備」が、サッカーの進化により形骸化し始めているのです。
LTSS設計思想が見据えた「下腿部ギアの進化」
LTSS(Leg Tool Separation System)は、2016年の考案当初から「サッカーソックスは“役割”に応じて分離されるべきである」という設計思想を掲げてきました。
その中で、ふくらはぎを覆うセパレートストッキング(カーフソックス)についても、下腿部に対する「外的要因」と「内的要因」を分けて設計するという独自のアプローチをとっています。
構成要素 | 主な目的 | LTSSでの分類 |
---|---|---|
セパレートストッキング | 外的要因からの保護 | 表層の保護パーツ |
インナーストッキング | 内的要因(疲労やむくみ)への対応 | 着圧・機能ベースの内層サポート |
シンガードの役割が消えたとき、インナーストッキングが“表”になる
「ソックスが、もうシンガードを覆う必要がなくなったら?」
この問いに対し、LTSS設計思想は明確な答えを持っています。
LTSS設計思想では、着圧インナーストッキングこそが、未来のセパレートストッキングとなる。
ふくらはぎのコンディションを整え、快適に、そして安全にプレーするために。もはや“覆うため”の布ではなく、“支えるため”の構造が主役となるのです。
ソックスの時代から、セパレートギアの時代へ
LTSS設計思想は、「ソックス」という形状や常識にとらわれず、足・脚・感覚・動作の本質に基づく“最適な装備”を提案しています。
そして今、その思想が「シンガード義務化の終焉」と「着圧インナーの台頭」によって、未来の基準として、静かにその姿を現し始めています。
未来を見据えて設計されたLTSS
2016年に考案したLTSSは、偶然ではなく必然として、サッカーの進化とともに“今、ようやくその価値が理解されはじめている”取り組みです。
- 単なるソックスの分離ではない
- 単なるグリップソックスへの対抗ではない
LTSSは、サッカーの未来像に適応できる「構造」と「思想」を持った設計体系です。
足と脚の機能を見つめ直し、選手の力を引き出す──。
LTSSの歩みは今、「サッカーソックスを選ぶ時代」への確かな答えとなりつつあります。
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